【湘南校舎ラグビーフットボール部】 〈卒業生特集①〉
2022年度の湘南校舎ラグビーフットボール部を牽引した4年生が卒業を迎えた。中でも、リーグワンに進むことが発表された3選手をピックアップ。チーム史上初の関東大学秋季リーグ戦5連覇に導いた選手たちの4年間を振り返る。
① CTB 伊藤峻祐(体育学部4年)
泥臭いプレーで信頼を勝ち取る
名門・桐蔭学園高校から期待を受け入学。そんな伊藤のAチームデビューは突然のことだった。1年時の関東大学ジュニア選手権・帝京大学戦でリザーブ入り。公式戦デビューも期待される中、後半30分に木村季由監督(体育学部教授)に呼ばれ、こう指示を受けた。「今日の試合はいいから、向こうでアップして欲しい」。視線の先にいたのは、非公開で行われる試合に向け練習に励んでいたAチームの選手たちだった。突如決まったAチームデビューに、「突然のことで気持ちも整理がつかず、ものすごく緊張した。4年間を振り返った中でも、一番と言っていいほど忘れられない80分だった」と振り返る。

その後は、1年時の秋季リーグ戦で公式戦デビューを果たし頭角を現していった。その勢いのまま2年時にも活躍が期待されたが、熾烈なレギュラー争いに食い込めず、公式戦に出場することはかなわなかった。悔しさを味わった伊藤は、「自分は178センチと体が大きいわけではない。レギュラーをつかむためには、一秒でも相手の攻撃を遅らせ、チームのために体を張り続ける」と献身的なプレーを心がけたという。3年時にはその姿勢が評価され、CTBのレギュラーに。全国大学選手権大会ではベスト4に貢献するなど、大きく飛躍する一年となった。


最終学年では主将を務め、チームを牽引した。しかし、5連覇をかけた秋季リーグ戦では初戦の東洋大学に24ー27で敗れ黒星スタート。続く立正大学戦では勝利したが、課題も残した。チームも波に乗り切れずに迎えた法政大学戦。2連勝中ともあり、5連覇に向け早くも正念場を迎えたチームに対し、「目の前の試合に全力で挑むしかない。スタッフ含めてチーム一丸となって挑もう」と、伊藤を中心に練習に励んだ。
その甲斐あってか、試合では攻守に渡り選手たちが躍動。71-24と大差をつけて勝利を収めた。「自分たちがやるべきことをやっているのにうまくいかず悩んでいた。正直、法政大学は不安も大きかったが大勝できたことでリーグ戦優勝につながった」と振り返った。チーム史上最多の5連覇へと導く活躍を見せた伊藤は自身初のベスト15に選出。主将として挑んだ秋季リーグ戦を有終の美で飾った。


大学選手権では初戦敗退と悔しい結果となるも、「この1年間、幹部の選手たちと何度も話し合い、こだわりを持ってプレーしてきた。負けてしまって悔しさもあるが、悔いはない」と話す。ともに戦った仲間には、「主将の自分一人ではここまでチームを勝たせることができなかったので、同級生には感謝しかない」と熱い思いを語った。
この4年間を振り返り、「選手として出れない時期も味わい、どうしたら試合に出れるかも学ぶことができた。主将としても、チームをまとめることの大変さや責任感も感じ、様々な面で成長することができた」と締めくくった。

春からはリーグワンの静岡ブルーレヴズでプレー。1学年先輩のジョーンズリチャード剛選手(2021年度卒・静岡ブルーレヴズ)に続き、2年連続で東海大の主将が加入することとなった。現在は大学選手権で負った怪我もあり、リハビリを経て練習に励みながら今シーズン中のデビューを目指している。伊藤は、「まずはしっかりと怪我を治して試合に出たい。強力なライバルも多くなるが、試合に出続けられるよう、持ち前の泥臭いプレーで信頼を勝ち取りたい」と強く意気込んだ。
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(記事・写真:塩澤)
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