【湘南校舎ラグビーフットボール部】 〈卒業生特集②〉
2022年度の湘南校舎ラグビーフットボール部を牽引した4年生が卒業を迎えた。中でも、リーグワンに進むことが発表された3選手をピックアップ。チーム史上初の関東大学秋季リーグ戦5連覇に導いた選手たちの4年間を振り返る。
② PR 井上優士(体育学部4年)
苦難を経て最終学年で躍動
井上優士(体育学部4年)は、「大学屈指のFWがそろっていて、自分がさらにレベルアップしたい」という思いから、地元福岡から東海大学に進学。大学入学当初は、周りの選手が持つ光り輝く個性の違いにすごさを感じていたという。そんな井上の大学ラグビーは決して順風満帆なものではなかった。
1年時から3年時までは、主力としてファーストジャージーに袖を通すことは一度もなかった。井上は、「努力し続けても試合メンバーに入ることができなかった。結果を残すことができず、自分の思い通りにいかなかった期間がつらかった」と苦しい経験を振り返った。


ラストイヤーとなった2022シーズンは、木村季由監督(体育学部4年)からPRとして力強くチームを引っ張ってほしいという期待も込められFWリーダーを務めた。不動の1番としてポジションを譲ることなく、試合で活躍を続けた。試合を経験するごとに成長を重ね、関東大学リーグ戦ではベスト15に選出。主力としてチーム史上最多となる5連覇へとチームを牽引した。「結果として表れたことがとても嬉しかった」と苦節を乗り越えてきた井上だからこそ、言葉に重みがあった。
普段から試合に出場しているスタメン組に積極的にアドバイスを求め、自分の理想とするラグビーのため吸収し自主練習を欠かすことはなかった。常にラグビーのことを考え、自分と向き合い続けた。「4年生でスタメンになれたのも厳しい3年間の積み上げがあったからこそ」と話す。井上にとって先輩や同期の仲間とともに練習した日々や、家族のように過ごした寮生活はかけがえのないものとなった。


大学4年間における目標を達成することはできなかった。それでも東海大でのラグビー人生を『努力と成長』と振り返ったように、井上のラグビーに対する情熱や常に前向きな姿勢がチームに残したものは大きい。来年度はリーグ戦で6連覇、史上初の大学日本一を目指す新チーム。井上は、「プレッシャーもあると思うがラグビーを楽しんで頑張ってほしい」と後輩達にエールを送った。

次なる舞台はリーグワンに所属している花園近鉄ライナーズだ。すでにチームに合流し、リーグワンデビューも飾っている。井上は、「フィジカルコンタクトのレベルの高さにプロとの圧倒的な違いを感じた」と話す。それでも持ち味であるスクラムを組んだ時の強さやキャリーを武器に、「日本でトップの選手になり、チームの日本一に貢献したい」と躍動を誓った。
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(記事・写真:山本、塩澤)
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