6月16日vs青山学院大
(21-16)
(14-7)
(20-20)
○東海大74(19-15)58青山学院大
スタメン
#7晴山ケビン
#10バランスキー・ザック
#21橋本晃佑
#22飯島理貴
#0ベンドラメ礼生
=GAME REPORT=
関東大学新人戦、準決勝の相手は宿敵ともいえる青山学院大。新人戦3連覇を達成し、その間東海大はベスト16と2年連続の結果に終わっていた。この3年間は明暗が分かれていた期間。他の大会でも何度となく苦汁を飲まされ続けてきた相手だ。それだけに選手の“青山学院大を倒す”という気持ちはどこのチームよりも強く、執着に似たようなものを持っている。関東トーナメントでも負けた悔しさを味わった選手も多く、当然ながら打倒青山学院大に燃えていた。
第1Q、橋本、ザック、晴山の3連続ゴールの立ち上がり。序盤は互角の展開でスタートする。課題だったディフェンスリバウンドを確実に取ることができず、青山学院大が一歩リードする。だが#8藤永佳昭を投入後、チーム全体の球離れがよくなり、早いパス回しからインサイドを突く。すぐさま逆転に成功し、最後はベンドラメのドライブで21-16。終盤のザックのインサイドプレーで加点し、まずは5点リードで第2Qへ。
第2Qは互いにシュートが決まらない展開に。その中でもザックのミドルシュートや、速攻から晴山のダンクシュートなどで波に乗る。得点源の野本建吾選手のドライブを全員で抑えにいく。体を張ったディフェンスで、このQ青山学院大の得点はわずか7。橋本の得点で差を広げ35-23と二桁に点差を広げ前半を終える。
第3Q、開始1分でミスを犯すなど後半の立ち上がりにつまずく。だがすぐさま藤永がベンチから出場するとチームは落ち着きを取り戻す。青山学院大も果敢にゴールにアタックし得点を重ねる中、晴山が攻守に奮闘する。「野本選手の横の動きに対応できる」(陸川章監督)とファウルがかさむ橋本、ザックに代わり野本選手のマッチアップを任され、高い対応力で守る。ディフェンスの相乗効果が攻撃でも表れ、何度もオフェンスリバウンドに絡みチームの攻撃回数を増やしたかと思えば、好調のミドルシュートで加点。最後もブザーとともにシュートを決める。55-43と点差は変わらないが、晴山の活躍でチームは勢いづく。
第4Q、勢いそのままに晴山の得点でこのQもスタート。さらに藤永のスティールや飯島のミドルシュート、2年生の活躍に晴山も続く。橋本が負傷退場するも晴山がゴール下で穴を埋めるには十分すぎるほどの活躍を見せる。青山学院大の3Pシュートも決まるもリードは変わらず、74-58で勝利。宿敵から勝ち星を飾り4年ぶりの決勝進出を決めた。
この日の勝利は30点を挙げた晴山の大車輪の活躍が大きい。それでも「チームメイトのおかげ」とチームでもぎ取った勝ちと強調する。一方陸川監督は「60点以下に抑えたディフェンスの勝利」と話す。190属幣紊裡柿手がリバウンドに絡み、その選手たちがゴール下にも構える。また3ガードが前線からプレッシャーをかけ続け、ミスを誘い出す。ルーズボールも含め、強固なディフェンスが光った。
4年ぶりの決勝。だが「まだ優勝はしてない」と陸川監督と晴山は口をそろえる。事実上の決勝戦の見方もあったかもしれないが、何が起こるかわからないのがトーナメント方式の戦い。筑波大も機動力のある拓殖大に競り勝った非常に力のあるチームだ。
「一つひとつ」。これは藤永が新人戦に入ってから口癖にしている言葉だ。チームが一つに、また1戦1戦戦うという意味が込められている。着実に成長し、毎試合粘りを見せまさに一つひとつ階段を上り、チームの絆は強固になっている。
筑波大には昨年の新人戦準々決勝で1点差で敗れた。その試合で逆転を狙ってシュートを放ったのはザック。ザックはもちろん他の選手も当然ながらリベンジの思いは強い。下級生だけでなくチーム全員の悲願であるタイトル獲得。青山学院大に勝利した自信と筑波大へのリベンジ、そして上級生を含めたチームの思いを背に、若きSEAGULLSが新人戦の頂へ上り詰める。
※陸川監督、藤永選手、晴山選手の取材記事は「続きを読む」へ。
~INTERVIEW陸川章監督~
―試合を振り返って。
58点に抑えたということがディフェンスチームのうちらしい勝利です。ディフェンスを頑張ったことが良かったです。
―今日はディフェンスの勝利?
そうですね。確かに途中は野本選手にやられて、晃佑(橋本)もファウルトラブルになりましたが、そこをザックとケビン(晴山)がよくしのいでくれたと思います。やっぱり礼生(ベンドラメ)と晃佑の力も大きいんですけど2年生がきっちりと頑張ってきたことが最後のチームワークにつながったと思います。2年生が頑張ってくれました。
―晴山選手の攻守の活躍が大きかったですね。
彼はお調子者だからね(笑)でも彼はそういうタイプ。乗ったら本当にすごいです。決勝も気持ち良く、のびのびとやってほしいです。
―ディフェンスに関してはどうでしたか?
学生コーチの小林康法が相手の特徴は全部言っていました。そこでアジャストしたし、マッチアップを急に変えましたけど対応をしてくれました。
―3Qの立ち上がりは少しバタバタとして、すぐに藤永選手を投入し落ち着きました。やはり信頼できる主将ですか?
すごくキャプテンシーがあるしガードとしても能力がある。そういう選手がバックアップから入ってくれることは私にとっても楽だし、力も落ちないので本当に助かっています。
―明日は筑波大との対戦です。
去年は1点差で負けてるんですよね。私はよく「リディームしよう」と言います。リベンジではなく自己回復する。明日こそリディームを。自分たちのやってきたことを信じてやる。それが一番です。
―筑波大の印象は?
個人技が高くてアウトサイドシュートもある。でもうちもディフェンスで勝負します。高さはうちほどないのでインサイドでどれだけ点が取れるかです。アウトサイドシュートもタフショットを打たせてどれだけリバウンドを取れるかです。
~INTERVIEW#8藤永佳昭~
―青山学院大に勝って今の気持ちは?
これまでずっと青山学院大に負けてきて、今回は負けたくないという気持ちが本当にありました。その気持ちが強くて、“勝ちたい”と思っていない選手はここに集まっていないと思います。いいムードと気持ち面で勝てたと思います。
―青山学院大に勝つ目標を意識しすぎることはなかったですか?
意識しすぎたところもありました。でもそこで自分たちを信じて自分たちのプレーをやろうとコーチからも言われていて、その言葉で落ち着けました。本当に勝てたことがうれしいです。
―前の試合もそうでしたが、飯島選手が序盤に固さが見られて今日も早い段階で出場しました。早い時間帯で出たときに意識することは?
経験の部分は僕の方があると思うし、出たときにはコーチからも落ち着かせてくれと言われています。そういうのは自分の役割なので、声を出して落ち着かせています。周りを助けて生かすことがチームプレーだと思うので。
―今日は晴山選手の活躍が光りましたね。
すごく助かりました。あいつも気持ちが入っていました。建吾(野本選手。藤永とは北陸高の同期)に負けたくないと思っていたし、建吾も建吾でやり返してきましたけど(笑)関東トーナメントのときはやられたので今日借りを返すという気持ちでケビンはよくやってくれました。
―今の2年生は昨年から青山学院大に負ける悔しさを何度も肌で感じている学年ですがその部分に関しては?
Bチームも含めてチーム全員が一つになって“勝ちたい”と思うことが重要だし、僕も練習から常々言ってきました。練習からやることが重要でそのおかげだと思います。決勝もあるので浮足立たず、明日もしっかりして優勝したいです。
―後半はリバウンドが確実に取れていましたね。
序盤は入りということでどうしても見てしまう。後半はしっかりリバウンドに集中できました。みんなもリバウンドに集中したら勝てることはわかっているし、3番ポジションも含めてリバウンドが高い(笑)でもそこでやらないと出ている意味がないのでみんなで意識をしています。
―大会を通してチームが粘りを得ていると思いますが。
粘りですね。関東トーナメントも粘りでしたが、チーム一丸で粘ることはコーチからもずっと言われていました。チームテーマが粘りでした。だから僕が積極的に声を出して、粘りや我慢は試合のポイントで言うようにしています。
―これまでの試合、チーム全員が大喜びする中、藤永選手はどこか落ち着いた雰囲気があると思います。そこが一つひとつ勝っていくという現れですか?
もちろんうれしいんですけど、主将が盛り上がってしまうとダメだと思います。自分は高校で日本一を経験していて難しさわかっています。優勝は本当に難しくてチームがまとまらないといけない。うまい選手がいても個々でやってしまうと勝てない。自分はそれをインターハイで経験しました。だから常々言っています。同じことを繰り返したくないし、負けたくないしまとまって勝つようにしています。
―決勝を前に今の気持ちは?
とにかく一つひとつですね。プレーでもポイントが絶対にあると思うのでそこを感じとって、主将としてチームをまとめて、コーチや仲間を信じて明日もやっていきたいです。
―勝てば4年ぶりの新人戦優勝ですね。
絶対に勝ちます。
~INTERVIEW#7晴山ケビン~
―一昨日の有言実行を達成しましたね。
すごくうれしいです。ただそれだけです。
―今日は攻守で勝利の立役者でしたが。
いや、最終的に自分がシュートを決められたので仲間のドライブやスペーシングがあったからこそ最終的に自分がシュートを決められました。チームメイトのおかげで勝てたし今日の自分があると思います。
―青山学院大ということで意識はしましたか?
全然変わらなかったです。これまでとまったく変わらない状態で入って、こういう結果がでたことは本当にうれしいです。勝ってから「あっ、青山学院大に勝ったんだ」と気づかされた感じです。
―終盤まで勝ちは意識せず?
残り10秒くらいから勝ったと思いましたけど、3Qと4Qの立ち上がりは逆転されるんじゃないかと思っていました。でも絶対に負けられないという気持ちの方が強かったです、
―3Qの立ち上がりは少し苦しい面もありましたがどうでしたか?
前の試合でも3Qの出だしは言われていました。そこが課題でしたが、修正力で前の試合よりも早く修正ができました。明日こそ3Qの入りをしっかりしたいです。
―野本選手へのディフェンスを後半から任されましたが、任されたときの気持ちは?
すごくうれしかったです。自分が5人の中で一番ディフェンスがうまいからだったと思うので、自分が止めようと思って抜かれる気はしなかったです。
―そこがポイントになったと思いますが。
前半はセンター陣がついてファウルが多く、コーチと話をして自分がマッチアップするということになりました。自分はファウルもなかったし気持ちを当てることができました。今回は自分が勝てたのかなと感じです。
―明日は筑波大でリバウンドも強いチームですが、明日もリバウンドとディフェンスですか?
去年筑波大に1点差で負けてすごく悔しい思いをしました。今日が決勝戦ではないので切り替えて、明日は確実にリディームをしたいです。
=NEXT GAME=
6月17日 17:00~
関東大学新人戦決勝
対筑波大 @日本体育大 世田谷キャンパス
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