最終結果
優勝東海大(4年ぶり3回目)
準優勝筑波大
3位青山学院大
4位拓殖大
新人賞#0ベンドラメ礼生
優秀選手賞#7晴山ケビン
#10バランスキー・ザック
リバウンド王#10バランスキー・ザック
6月17日vs筑波大
(12-16)
(23-24)
(35-11)
○東海大94(24-31)82筑波大
スタメン
#7晴山ケビン
#10バランスキー・ザック
#21橋本晃佑
#22飯島理貴
#0ベンドラメ礼生
=GAME REPORT=
厳しい戦いが続いた関東大学新人戦も最終日。青山学院大との激闘を制し、決勝に駒を進めた。青山学院大に勝利しホッと一息かと思われたが、「まだ決勝が残っている」と選手たちは口をそろえる。竹内譲次選手(06年度卒・現日立)や石崎巧(06年卒)らファブ5を擁しても達成できなかった新人戦制覇。それだけに気を引き締めて決勝に臨んだ。
第1Q開始はミスからの立ち上がりになる。筑波大は外角シュートが好調で一歩リード。これまでオフェンスリバウンドにイニシアチブを取っていたが筑波大がしっかり対策し、リバウンドからオフェンス回数を増やせない。それでも今大会幾度となく苦しい時間帯で奮闘してきたザックが粘り食らいつく。12-16とリードは許すもオフェンスリバウンドを徐々に獲得し、立て直しを図る。
第2Qは開始からオールコートプレスからゾーンディフェンスを敷く。攻撃でも晴山、ザックがリバウンドで何度もボールに絡み勝利への執念を見せつける。だがその気持ちとは裏腹になかなか流れをつかめない。飯島の3Pシュートが決まるも、この日絶好調の坂東拓選手を筆頭に外角シュートが止まらない。残り6分で18-27となったところでタイムアウトを取る。タイムアウト明けはベンドラメが連続で3Pシュートを決めるなど果敢にゴールにアタック。ベンドラメの奮闘に刺激を受けるかのように他の選手の活躍もあり一時は逆転に成功する。だが筑波大に再逆転を許し、35-40のビハインドで前半を終える。
第3Q、「0-0からスタートしよう」(陸川章監督)と気持ちを入れ替えコートインした。まずはベンドラメのミドルシュートで反撃返し。ディフェンスでも陸川監督の言葉に応える厳しいディフェンスを展開。試合中に自分たちで立て直す“修正力”を発揮する。そこから晴山、ベンドラメが交互に点を入れる怒涛の攻撃に。筑波大は早々にタイムアウトを2つとるも一度火がついた東海大の勢いは止まらない。晴山がこのQだけで13得点、ベンドラメは12得点を挙げチームをけん引。前半不調だった橋本にボールを集め、そこからのインサイドアウトで得点。自身も厳しいマークにあいながらアタックする。結局このQは35得点と前半の得点をわずか10分で稼ぐ。70-51と一転リードを広げて最後の10分に。
第4Qもベンドラメの速攻が決まる。筑波大も何とか逆転をしようとシュートを果敢に狙い続ける。それでも中盤に中押しとなるザックと橋本のインサイドプレーが勝利への道しるべに。終盤は筑波大の猛攻をしのぎ94-82で勝利。見事4年ぶりの新人戦優勝とタイトル獲得を達成した。
4年ぶりのタイトル奪取。何度となく打ち返されてきた壁を藤永佳昭主将を中心としたチームで破った。試合後は歓喜の輪が広がり、陸川監督をはじめとするスタッフ陣と藤永が胴上げで宙に舞った。また藤永は自身のケガと主将の重圧から解放され涙。常に冷静に声かけを行ってきた主将の涙が優勝の重みと難しさを体現していた。
「このチームが終わるのが寂しい」という声もあり、藤永が練習から言ってきた“一つひとつ”がチームに浸透。わずか1ヵ月ながらチームが一つになって戦っている印象が強い。それだけこの大会にかける思い、そしてチームを引っ張った2年生の働きが光った。
そして今後は関東大学リーグ戦、全日本インカレと厳しい秋に向けた戦いが始まる。若い選手がタイトルをチームに献上し、このいい流れを秋にも生かしたいところ。そして今後もこの大会のみならず春の2大会で一回りも二回りも成長した下級生が主力になる。修羅場を経験しチームの底上げになったことは大きなプラス。「上級生にはプレッシャーになる」と陸川監督が話すようにガードとインサイドでポジション争いが激化する。秋にはさらに成長した新しいSEAGULLSが見られるかもしれない。
※陸川監督、他選手の取材記事は「続きを読む」へ。
~INTERVIEW陸川章監督~
―今日の立ち上がりは?
浮き足立っていましたね(笑)勝負はそんなにあまくはないし、筑波大は思い切ってくるのはわかっていました。過信、慢心は己の敵だぞという気持ちで入りましたが、どこか浮足立ってチームとして戦えていなかった。個々としては頑張っていましたけどちぐはぐしていました。特にディフェンス。マッチアップに2人でいったりノーマークにしたりずれができていました。ただこのチームのいいところは試合の中で修正する力です。3Qの入りはいい集中でした。そこで流れを戻したので良かったです。
―ハーフタイムではどんな指示を?
「勝負はそんなにあまいものではない。でも終わったことを引きずってはいけない。だからもう一回0-0でいこう」と。我々のバスケを信じてやって自分の持っているものを出す。それだけです。あとは彼らが考えてやってくれました。
―ベンドラメ選手の活躍はどうでしたか?
良かったですね。彼が持っている感覚や嗅覚が良かったです。晃佑(橋本)も自分と戦って最後は何本か決めてくれました。周りから「やり続けろ」と言われていたので気持ちで落ちる時間がなかったですね。それが2年生のいいところでみんなを乗せる力がありました。
―ザック選手や晴山選手が活躍し、収穫も多かったと思いますが。
これで終わりではなくて彼らの可能性は無限大。もっとうまくなってほしい。そして今度は上級生にいいプレッシャーになる。これだけ突き上げてくれば。だから秋に向けていい材料になったと思います。
―関東トーナメントでは若い選手の指導が楽しいとおっしゃっていました。今大会はまた関東トーナメントとは違う一面が見られて楽しかったのではないですか?
ケビン(晴山)は3番ポジションで出ることがかなりのプレッシャーだったみたいですね。でも昨日もそうだし今日の後半はのびのびとしたプレーをしてくれました。誤算ではないけどここまでできるとは。誤算と言ったら悪いですけど(笑)ここにドライブなどスキルがついていけば。でも新たな戦術が増えたという感じです。
―このチームはここで一区切りですが、どんなチームでしたか?
2年生のBチームの選手を含めた一体感がある中で1年生はのびのびできる。すごくアットホームないいチームでした。みんなもここで終わるのが寂しいと言ってました(笑)
~INTERVIEW#8藤永佳昭~
―優勝して今の気持ちは?
今まで練習でやってきたこと、陸さん(陸川監督)のバスケで優勝したいと思っていたので胴上げできたことが一番うれしいです。
―責任感の強い主将だと陸川監督も言っていました。試合後は涙を流していましたがそれだけうれしかったと?
ケガの部分もあってそこも乗り越えてきました。毎日の朝練も含め本当にきつい練習を全員でやってきました。それを証明したかったんです。関東トーナメントでも最後の最後で負けてやることをやって勝たないといけない。陸さんのバスケで勝てたことが本当にうれしいです。
―主将として今大会感じたことは?
高校もそうだったんですけどいろんな人のおかげでバスケもできているし、ここまで成長できました。主将として先頭に立って一番強く感じました。
―今大会のチームどんなチームでしたか?
学年の仲が良くて横のつながりと1、2年生の縦のつながりもしっかりしていました。仲のいいチームでした。
~INTERVIEW#7晴山ケビン~
―今の気持ちは?
やっとこの舞台に立ててうれしいです。
―試合を振り返って。
前半は相手にリードをされながらの後半でしたが、コーチの言葉でみんな気持ちが入ったのでそこから自分たちの流れで勝つことができました。
―昨日言われていた3Qの入りについては?
今までにないくらいいい入りでした。みんな集中していて一つのボールに5人が集中して守れていたので良かったです。
―この大会で学んだことは?
いくら自分たちがリードをしても気を抜けば相手はそこを突いてくるので40分間気を抜かずやることです。
―3番ポジションをやった今大会はどうでしたか?
人生初の3番ポジションだったので最初は何をしたらいいかわからなかったです。でもコーチから好きなようにやれと言われてその中でアドバイスをしてくれました。まだ完成はしていないですけどいい方向にいっていると思います。
―後半の走りについてはどうですか?
前半は相手に走られていました。でも後半は全員が走るようになれました。2月、3月にしんどい練習をしてきてそれを乗り越えて今があると思います。5人で話し合っていい入りになりました。
―藤永主将はどんな主将でした?
今までにないくらい最高の主将でした。負けていたり落ち込んでいても常に声を出していました。足が悪かったんですけどその中でチームを引っ張る気持ちが伝わってきました。2年生も藤永のためにというかしっかり声を出してコミュニケーションをとった結果優勝ができて良かったです。
―優秀選手賞を受賞した気持ちはどうですか?
自分じゃないと思っていました(笑)でもチームのみんながプレゼントしてくれたと思います。
~INTERVIEW#10バランスキー・ザック~
―今の気持ちは?
大学で初めて優勝できて本当にうれしいです。この仲間とやれる期間は短かったですが本当に楽しかったです。
―準決勝では青山学院大には野本建吾選手、筑波大には山田侑樹選手がいました。その2人は入学当初に倒したい相手として挙げられていましたが、その2人に勝っての優勝でうれしさもより増すのではないですか?
野本には高校時代からずっと負けていたので昨日勝ったときは本当にうれしかった。ウインターカップでも去年の新人戦でも山田にやられて負けていました。そこをやり返したい気持ちもありましたがチームで勝とうというほうが強かったです。
―去年の新人戦はザック選手のシュートが外れて筑波大に敗れました。それだけに筑波大にかける気持ちも強かったのでは?
去年は自分の責任で負けたので今年は繰り返さないようにしました。でも最後は出られなかったですがアキが主将としてチームを引っ張ってくれました。先輩たちも毎試合応援に駆け付けてくれて練習相手もしてもらいました。いろんな人への感謝の気持ちで今日は戦いました。
―大会を通してチームが苦しいときにインサイドやリバウンドで奮闘していました。チームを助けたという印象が強いですが。
今年は誰が点を取るではなく全員で平均的に取ることができる。自分はコーチから得点とリバウンドのダブルダブルと言われています。礼生(ベンドラメ)や晃佑も取ってくれるし理貴もケビンもミドルシュートが入る。流れが悪くなったときはリバウンドに絡もうと思っていました。
―この新人戦のチームどんなチームでしたか?
今まではAとBチームがわかれていて新人戦は一緒にやりますが、Bチームの2年生は本当に元気がある。それで毎日の練習が楽しい雰囲気でできました。チーム一丸となってベンチを盛り上げてくれたことは出ている5人に気持ちよくプレーさせてくれました。本当に楽しい新人戦でした。誰一人欠けることなくみんながいてこその優勝です。
~INTERVIEW#22飯島理貴~
―優勝した今の気持ちは?
本当にうれしい。それだけです。
―試合を振り返って。
最初は自分のミスから始まりました。ミスから入ると流れを持っていかれるのはわかっているんですけど、そこに前半でアジャストできなかったことが課題です。でも後半で引き離せたことは修正できたという部分で良かったと思います。
―晴山選手とベンドラメ選手の活躍はすばらしかったですね。
本当に何かを持っていますよね。昨日は全然シュートが決まっていなかったのに今日入れてくるのはやっぱりすごいです。
―青山学院大に勝って気持ち的に余裕はありましたか?
それをなくしていこうと話をしていました。気持ちではなくてミスから始まったから流れをつかめなかったです。
―今大会、日本体育大戦も青山学院大戦も立ち上がりにミスをして藤永選手が出てくる場面がありました。でも安心して任せられますか?
安心ですね。試合も崩れないし、僕もミスはしましたけど思い切ってできます。
―秋からは和田選手も復帰し、激しいガード争いが待っていますね。
今大会を通して課題も見えてきて今後克服をしないといけない。ガード争いをしてどんな結果になってもチームに貢献できるようにするしかないし、経験は積んだので自分のプレーをまっとうしたいです。
~INTERVIEW#21橋本晃佑~
―優勝の感想は?
率直にすごくうれしいです。その一言です。
―村越選手のディフェンスはどうでしたか?
自分より力が強くて、自分が課題にしていたフィジカル面が出て決めきることができなかった。もうワンステップいけたとかシュートを打った後に後悔をして、それを試合の中でどう修正できるかを考えながらやらないといけないと思いました。
―今大会はインサイドやリバウンドの意識が高くなったと思いますが。
序盤戦は相手もそこまでボックスアウトをしてこなくて自分やザックさん、ケビンさんがリバウンドを取れていました。でも準決勝、決勝になると大きくなるしボックスアウトをしてくるので大変でした。
―今後の課題は?
自分が3月に練習に入ってきてずっと言われていたのがボックスアウトとディフェンスの徹底。春の関東トーナメントから新人戦までその練習もしてきました。でも集中力が切れて取られることもあったのでそこを集中してやっていきたいです。
~INTERVIEW#0ベンドラメ礼生~
―今の気持ちはどうですか?
優勝はやっぱり気持ちいいですね。3、4年生の試合ですけど関東トーナメントは負けているので1、2年生のこの試合で優勝できたことはうれしいです。
―今日の前半は苦しかったですが、青山学院大に勝って安心した部分はありますか?
いつも通りで青山学院大は青山学院大、筑波大は筑波大と考えてやっていました。
―3Qの立ち上がりが勝負のカギだったと思いますが、後半の立ち上がりについては?
リードはされましたが焦りはなかったし先輩たちはリバウンドも強いので気持ちよくシュートが打てました。やっぱり出だしが大事ですね。
―関東トーナメントは自分のミスで負けたと言っていましたが、今大会はスタメンとして出場し大会を振り返るとどうですか?
初戦からアウトサイドシュートが入らなかったんですけど、先輩たちや橋本がリバウンドを取ってくれました。だから思い切ってシュートが打てました。でもまだターンオーバーが多くてあまいのかなと思います。
―新人賞受賞はどうですか?
もちろんうれしいですけどみんなの頑張りがあって優勝できたし、そのおまけが新人賞でした。
―1年生としてこのチームはどう感じましたか?
本当に仲が良くて主将の藤永さんが一番に声を出してくれたことが良かったと思います。気持ちが伝わってくる声だしはすごかったです。
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