リーグ王者の意地見せるも…
涙の準々決勝敗退
12月22日 全国大学選手権大会準々決勝 対明治大 @大阪・キンチョウスタジアム
【スターティングメンバー】
1PR小野広大(体2)
2HO加藤竜聖(体4)
3PR中野幹 (体3)
4LO中村匡汰(体3)
5LO横井隼(体3)
6FL山田生真(体2)
7FL西川壮一(体4)
8NO.8テビタ・タタフ(体4)
9SH山菅一史(体3)
10SO丸山凜太朗(体1)
11WTB杉山祐太(体2)
12CTB眞野泰地(体3)
13CTBアタアタ・モエアキオラ(体4)
14WTB望月祐貴(体1)
15FB酒井亮治(体1)
【リザーブ】
16 今津紳吾(文4)
17新井望友(体3)
18古瀬凜之佑(体4)
19王野尚希(政4)
20 深見瑠希(体4)
21中村友哉(体2)
22杉浦拓実(体2)
23モリキ・リード(体3)
【試合レポート】
関東大学リーグ最終戦で大東文化大を破り優勝を飾った東海大は、大学選手権準々決勝からの登場となった。相手は関東大学対抗戦4位の明治大だが、今シーズンは大学選手権9連覇中の帝京大に対して唯一土をつけたチームだ。
試合は息詰まる展開となったが、東海大のミスを明大は見逃さず、ペナルティーゴールによる3点差で敗れ、悲願の日本一にはまたも届かなかった。
▲悔し涙を流すモエアキオラ(右)と西川
先制点を挙げたのは東海大だった。前半8分にマイボールスクラムで押し勝ち、さらには明大陣地10㍍ライン付近で相手のペナルティーを誘うと、ペナルティーゴール(PG)を選択。キックが持ち味の杉山がきっちりと決める。
両チームにハンドリングミスが目立つなか、キックの応酬でチャンスを狙い続ける。しかし、自陣深くでのパスミスから明大オフェンスに詰められペナルティーを取られてしまう。5㍍ライン上で明大ボールのラインアウトから密集でアタックを重ねられ、最後はゴール下に決められ3‐7。
さらに34分には明大FB山沢京平選手(2年)がディフェンスを外しながら前進し、最後はWTB山崎洋之選手(3年)にトライを許した。
3‐12とビハインドで終えた前半。望月の好タックルなども光り、明大の機動力を抑えながら我慢の時間が続いた。
迎えた後半、最初の得点がカギを握る展開だったが、9分に東海大のハイタックルから獲得した山沢選手のPGが決まり、点差は12点に広がる。
▲力がぶつかり合ったスクラム
だが関東リーグ王者も黙ってはいられない。明大陣地22㍍ラインの東海大ボールラインアウトからモールを形成し、ゴールライン直前まで押し込み、この試合初めて東海大らしい攻撃を展開する。再び相手のペナルティーを誘いチャンスをつくると、FW陣は円陣を組み気持ちを整える。
そしてラインアウトモールを組むと、徐々に押していき、タタフがインゴールにねじ込んだ。杉山のゴールも決まって1トライ差まで追い上げる。勢いに乗った東海大は、31分にまたしてもラインアウトモールから最後は加藤がトライを奪ってついに同点に追いついた。
▲加藤のトライに沸く東海大フィフティーン
しかし、この試合の明暗を分けたのはやはりペナルティーだった。試合終了間際、自陣深くで明大のアタックに我慢を続けていた東海大だったが、ゴールポスト前でノットロールアウェイを取られると、PGを決められて万事休す。直後のラストワンプレーに全力をかけたが、タッチライン外に蹴り出され、そこでノーサイドのホイッスルが鳴り響いた。
木村季由監督(体育学部教授)は「明大の押し込む力に対して粘れていたが、ペナルティーが痛かった。このチームをもっとプレーさせてあげたかった」と語った。主将のモエアキオラは「春から成長することはできていたと思う」とチームをたたえた。
来季も主力として期待がかかる眞野は「4年生を勝たせてあげたかった」と肩を落とす。1年生ながらリーグ戦を通じて全試合スタメン起用された酒井も、「(チームに)申し訳ないです」と唇をかんだ。
▲ルーキーで唯一全試合出場を果たした酒井
試合後、“正月越え”(準決勝進出)を逃した選手たちはグラウンド上で呆然と立ち尽くすしかなかった。それでもチームメイトの肩を抱え合いながらスタンドに向かって一礼すると、東海大ファンのみならず明大ファンからも大きな歓声と拍手が送られた。試合には敗れたが、古豪・明大との熱戦は観戦していた全ラグビーファンの心をつかみ、熱くさせた証拠だった。
▲感情を露わにする副将の加藤
日本一の夢は来年に持ち越された。モエアキオラやタタフをはじめ、下級生の頃から主力として活躍してきた選手も多く抜ける。それでも、若い選手もメンバーに多く名を連ねた今シーズン。この日の悔し涙は必ず彼らを成長させるだろう。
☆この結果により今シーズンの湘南校舎ラグビーフットボール部の戦いは幕を閉じました。熱いご声援をお送りいただきありがとうございました! 来シーズンも変わらぬご声援をよろしくお願い致します。
(取材・写真:下山充樹、尾澤亜海、峯本茉弥 記事:下山)
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