~本日卒業される卒業生の門出を祝し、特別企画『軌跡』として各部を追った記者が卒業までの軌跡を辿ります~
「5年ぶりの優勝に大きく貢献した4人の4年生」
#10 鶴田美勇士(京都ハンナリーズ)
#15 内田旦人(レバンガ北海道)
#37 秋山皓太(金沢武士団)
#68 松浦翔太(新生紙パルプ商事株式会社)
最上級生になった2018年度。4月21日から5月6日まで行われた関東大学選手権大会では準々決勝までは20点以上の点差をつけ圧勝。しかし、準々決勝では17年度の全日本大学選手権大会(インカレ)の王者である大東文化大に序盤からリードを許し53‐70で敗戦。その後の順位決定戦では青山学院大との接戦を67-61で制すも、続く日本大との試合では68‐70の僅差で敗北。18年度最初の公式戦を6位で終えた。
関東大学リーグ戦では第1節、2節と危なげなく勝ち進めるも続く白鷗大戦、大東文化大戦で連敗。そこで陸川章監督(体育学部教授)はスターティングメンバーに1年生2人を投入し、4年生2人は控えに回った。それでも4年生の4人は自分の役割を全うした。主将の内田はベンチから必死に声を出し常にチームを鼓舞し続けた。秋山、鶴田はセカンドチームとして試合に出場し、スターティングメンバーに負けず劣らないプレーを見せた。そして、東海大らしいバスケが見えたのが第15節の大東文化戦。春のトーナメントやリーグ戦の第4節でも負けているだけにどうしても落としたくない試合だった。序盤から相手の留学生がインサイドを攻め立てるも鶴田が体を張ったディフェンスで流れを渡さない。秋山も途中出場ながらも3Pシュートを決め応戦。その後も東海大の堅守速攻が続き56-51で接戦を制した。ベンチメンバーの活躍が多くみられまさに層の厚さで勝利を勝ち取った。10月27、28日は湘南キャンパスで試合が行われた。ホームゲームが10周年ということで会場には多くの人が訪れた。ホームゲーム2戦目とも勝利し3年ぶりにホームゲームを連勝で飾った。その後、神奈川大戦で黒星をつけられるも最終戦の日本大戦を82-57で圧勝。18勝4敗で3年ぶり5回目のリーグ戦制覇となった。
▲ディフェンスと3Pシュートでチームに貢献した秋山
12月10日から16日まで行われたインカレ。1、2回戦は東海大の堅守速攻がさえわたり大差で勝利。準々決勝の明治大戦では関東王者として安定したゲーム運びを見せ、危なげなく勝利。続く準決勝の相手は4年生が1,2年時のインカレの決勝で敗れている筑波大だ。前半は互いに流れを渡さず筑波大が4点リードで終える。後半は東海大がインサイドで主導権を握り、流れを掴む。最後は4年生の松浦も笑顔でシュートを決め因縁の対決を制した。決勝では終始東海大がペースを握る。試合終盤には内田もコートに立ち3Pシュートを沈めた。最後は4年生全員が出場し88‐70で勝利。5年ぶり5回目の優勝となった。試合後、主将の内田の目には大粒の涙が流れようやく手にした日本一の称号にチームは歓喜した。
1年間チームを取材し4年生が本当に愛されているのだと感じた。下級生に話を聞いても4年のためにという言葉が多く聞こえてきた。プレータイムは少なかったかもしれないがベンチで仲間を鼓舞する。途中出場で流れを変える。「全てはチームのため」という自己犠牲の精神がチームの土台となり下級生がのびのびとプレーできた理由でもあるのだろう。最後まで大きな器でチームをまとめた4年生の今後の活躍に期待したい。
▲インカレ筑波大戦では笑顔でシュートを決めた松浦
▲主将としてチームをリーグ、インカレ優勝に導いた内田
(記事:増田 写真:増田)
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