~本日卒業される卒業生の門出を祝し、特別企画『軌跡』として各部を迫った記者が卒業までの軌跡を辿ります~
「東海ブルーを背負ってきた4年生」
短距離ブロック 岩崎浩太郎(体4)
短距離ブロックの岩崎も卒業を迎える。1年次、初出場した関東学生対校選手権大会(関東インカレ)男子100㍍は予選敗退。2年次は決勝進出を果たしたものの惜しくも8位となった。学生最後となった今年度の関東インカレでは決勝に進出し、勢いそのままに10秒16をマーク。2位に入賞し、念願の表彰台入りを果たした。2位となった岩崎に、多くの仲間が声をかけ、仲間とともに喜びを分かち合った。
「追い風参考記録ながら、10秒16を走れたことは、今後競技を続けて行くうえで自信になった」と4度目の関東インカレをふりかえった。
また男子4×100㍍リレー決勝では2走目を務め、3チームの3位入賞に貢献。表彰台では大きな笑顔を見せた。
100㍍、200㍍、4×100㍍リレーの三刀流で戦う岩崎。東海大での4年間を自信に、卒業後も実業団ランナーとして走り続ける。(大澤)
▲関東インカレで2位に入賞した岩崎
今日、今年1月の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に初出場した湯澤が門出を迎えた。
付属第三高(現・付属諏訪高)から大学に進学し、当時を「箱根駅伝に出場する実力はなかった」と振り返った。それでも1年次から、レースの後半でも粘りの走りをしようとスタミナの強化を意識してきた。その努力が最終学年となった今年度ついに実を結び、5月の関東インカレハーフマラソンでは日本人トップとなる準優勝。10月の出雲全日本大学選抜駅伝競走では学生駅伝デビューも果たした。4年間の集大成となる箱根駅伝では、エース区間「花の2区」で初出走ながら落ち着いた走りを見せ、総合優勝に貢献した。「最後まで粘りの走りをすることができた。今まで努力してきたものが実った」と笑顔を見せた。
卒業後は、SGホールディングスで競技を続ける。また湯澤は、3月3日に行われた東京マラソンに出場し、マラソン挑戦の様子も見せている。初めてのフルマラソン出場となった同大会を、「とにかくとても寒かった」と天候にダメージを食らったことを苦笑いで話してくれた。
湯澤は新天地でも努力を続け、これからもさらなる飛躍を見せる。(羽吹)
▲関東インカレハーフマラソンで日本人トップとなった湯澤
跳躍ブロック 奥田啓祐(政4)
走る、跳ぶ、投げるといった競技を2日間で行う十種競技。その過酷さから十種競技の勝者は「キング・オブ・アスリート」と呼ばれている。跳躍ブロックの奥田は大学から十種競技を始めた。初出場となった大学2年の関東インカレでは棒高跳びで記録なしとなり、11位。3年生の関東インカレでも3位となった。それまで周りを気にしがちだったという奥田は、それから「自分のことを応援してくれる人に向けてパフォーマンスをしよう」と気持ちを新たに、自分に集中し、競技を楽しむことを決めた。迎えた今年度の関東インカレ。全力で競技に集中し、全力で競技を楽しんだ奥田は最後の関東インカレで初優勝を果たした。声援に大きくガッツポーズを送る奥田の姿は多くの観客たちを魅了した。
また2月にはドイツで行われたボブスレーの世界ジュニア選手権に日本代表として出場。怪我などのリスクが大きいボブスレーだが、誘いを受けた際、「やらないよりもやる方がいい」と考えた奥田は挑戦することを決めた。「転倒もしたが、いつも通りの自分で競技ができた。今の時期にいい緊張感を持って国際大会に臨むことができたのはいい収穫」と語った。
「人生は経験と挑戦」と話す奥田。東海大のユニフォームを脱ぎ、次は実業団選手として「日本記録更新」を目指す。常に競技に全力な奥田はこれからも多くの人を魅了し続ける。(大澤)
投擲ブロック 安藤夢(体4)
9月の日本学生対校選手権大会の円盤投げで初優勝を飾った安藤夢(体3)も卒業の日を迎えた。安藤は16年度、17年度の関東インカレで連覇を果たし、関東内で常にトップクラスの成績を維持。今年度は、5月に行われた関東インカレで惜しくも準優勝となったが、「やってきたことは間違いではない。順位はあまり気にせずに、日本インカレに向けて調子を上げていきたい」と意気込んだ。その後は、6月の日本学生個人選手権大会で優勝。学生日本一へ着々と力を蓄えていった。そして最終学年として挑んだ最後の日本インカレでは、今まで届かなかった栄光をついに手にした。「記録よりも優勝を狙っていたのでほっとした」と安堵の表情を見せた。
卒業後は、さわかみホールディングスで競技を続け、7月に行われたインナーナショナルアントワープアスレティックガラで記録した56㍍40の自己ベストを更新する60㍍を目指す。「将来的には日本記録(62㍍16)を狙えるようになりたい」と力強く語る安藤に今後も大注目だ。(羽吹)
あとがき
4年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
約2年間、陸上担当として取材をさせていただく中で、謙虚な気持ちで努力し続けること、周りへの感謝を決して忘れないことの大切さを4年生に教えていただきました。取材が終わると、「いつもありがとう」と言ってくださった4年生のみなさん。まっすぐで正直な4年生の姿は私の憧れです。歓喜の瞬間に何度も立ちあわせていただき、私までうれし涙を流してしまうこともありました。感謝の気持ちでいっぱいです。新天地での卒業生の方々の活躍を願っています。本当にありがとうございました。(大澤)
(記事・写真:大澤、羽吹)
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