~本日卒業される卒業生の門出を祝し、特別企画『軌跡』として各部を追った記者が卒業までの軌跡を辿ります~
「チャレンジャーとして」
「どんな試合でも誰が相手でもチャレンジャーだという精神を胸に戦う」。永露元稀主将(体4)が意気込んだこの言葉でチームは春季関東大学リーグ戦から全日本大学選手権大会(全日本インカレ)まで駆け抜けた。
春季関東大学リーグ戦(4月7日~5月19日)
初戦、2日目を順調に連勝するも3日目の中央大戦から4連敗。佐藤謙次(体4)が「こんなに連続で負けたことがないからどうすればいいか分からなくなった」と口にするほど悩んだ春季リーグ戦。7日目から調子を取り戻し再び連勝をあげたが、最終日の慶応義塾大戦で敗戦し、7位で大会を終えた。
東日本大学選手権大会(6月21日~24日)
春季リーグ戦の悔しさを胸に、3回戦まで好調に進んだ。迎えた準々決勝では昨年度の全日本インカレで敗戦したライバル中央大だ。第1セットからデュースにもつれ込み、序盤から緊迫した試合が始まったが選手たちは集中力を切らさずに戦った。最終セットまで続いたが惜しくも落とし、5位となった。
秋季関東大学リーグ戦(9月8日~10月20日)
スタートダッシュのいい東海大は初日もフルセットまで戦い見事突破するが2日目の日本体育大戦からは3連敗。春季リーグ戦の影が見え、チーム全員で話し合いどうやったら勝てるのか、足りないものは何かを探る。その頃から「チャレンジャー」をキーワードに全体で練習を重ねた。今大会のヤマ場となった5日目の筑波大戦で3-1で勝利し雰囲気は一転。勢いそのままに翌日の早稲田大戦に挑むが2-3で惜敗した。取材をする選手の口からは必ず、「チャレンジャーとして挑んでいる」と答え、チーム全体が一丸となっていく姿が見えた。永露は、「春に勝てなかった相手に勝利できたことは大きな一歩になった。でも勝てる試合を落としたのはまだまだ詰めが甘い証拠」とハングリー精神を見せる。7日目以降の5試合を全勝し、春から2つ順位を上げ5位で終えた。
全日本インカレ(11月27日~12月2日)
1年間で唯一の全国大会、全日本インカレ。1回戦の北翔大戦も3-0で快勝し、2回戦では東海大札幌校舎との東海大対決が繰り広げられた。結果は3-0で湘南校舎が勝利したが、札幌校舎のダブルエース戸田拓也(国4)と柳町逸太(国4)も粘り強さ見せた。3回戦の福岡大にも3-1で勝利し、準々決勝まで進む。相手は今年度のリーグ戦で1勝1敗の筑波大だ。第1セットを取り先手必勝の東海大だが、すかさず第2セットを筑波大がもぎ取った。3セット目で東海大が取り返すもまたもや筑波大が第4セットを取り返すデッドヒート。今大会初のフルセットだが、秋季リーグ戦の早稲田大戦を思い出し「勝てる試合を落とす」から「勝てる試合を逃さない」に変えた。結果は15-11で最終セットを取得し、ベスト4まで上り詰めた。準決勝の相手はダークホース福山平成大。日本体育大に勝利し、勢いに乗る実力は本物だ。エース新井雄大(体2)のスパイクを攻略しようと2セット連取されるが、決して諦めない。永露は積極的に山崎彰都(体3)と新井へボールを集め、第3セットを25-19で獲得した。決勝戦へのカギは第4セット。シーソーゲームからデュースまで続き、一瞬も気が抜けない。しかし福山平成大の粘り強さで28-30で敗れた。3位決定戦の明治大戦は0-3で敗れ、4年生の目には涙が浮かんでいた。
スタメンの4年生は2人と下級生主体のチームで構成された今年度のチームへ永露は、「下級生に得点を取らせるなかで自分たちができることは何か……。せめて全日本インカレではセンターコートへ連れて行ってあげたい、でもこのチームで優勝したいという気持ちがあった。来年度はスタメンが多く残る経験豊富な選手ばかり。試合に勝って自信をつけるのもいいけれど、自分たちはチャレンジャーだという気持ちは忘れないで挑み、王者東海大に返り咲いてほしい」と話した。
(写真提供=湘南校舎男子バレーボール部)
【あとがき】
高いジャンプから繰り出される強烈なスパイクや、体を床に打ちつけながらもボールを拾う姿、得点を決めたときの円陣の気合の入り方。1年間見てきた情景が溢れ出てきて書ききれません。大のバスケ好きだった私がこんなにもバレーボールに魅了されるとは……今では一番好きなスポーツです。文章にして伝えることは容易ではありませんが、選手が活躍したり勝利の瞬間に立ち会えることが私の活力となり、今年も何とかやりきれました。このチームの記事やブログを書けたことに感謝と誇りで胸がいっぱいです。本当にありがとうございました。
4年生の皆様、ご卒業おめでとうございます!今後のご活躍を心からお祈りしています。(東海スポーツ編集部2年 吉倉千乃)
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