上級生とルーキーには埋もれない 2年生の風
オータムカップ2020決勝戦を目前に控え、今シーズン初のタイトル獲得を目指す湘南校舎男子バスケットボール部。昨シーズンBリーグクラブに所属しプロの世界を経験した西田優大(体4)や大倉颯太(体3)を中心に厚みを増した上級生に、同じくBリーグを経験し、ここ数試合でも圧巻の姿を見せる河村勇輝(体1)などチームは万全の姿と言える。その中でも昨シーズンからプレータイムが大幅に増加し、セカンドユニットとして勢いをつけているフォワードの松崎裕樹(体2)と長身センターの張正亮(体2)に迫った。
<張編>

▲今シーズンはチームトップの高さを誇る張
200センチの長身ながらコートの端から端まで走り抜け、速攻から得点も今大会決めて見せた張。そんな張だったが、オータムカップ初戦の拓殖大戦は昨シーズンの関東大学新人戦以来のプレータイムとなった。昨シーズンは、関東大学選手権、関東大学リーグ戦、全日本大学選手権大会(インカレ)ともにプレータイムはほぼ無く、ベンチメンバー外となることがほとんどだった。新人戦以来の大幅なプレータイムに、
「やっぱり緊張した」と一言放った。
初戦から準決勝の白鷗大戦に至るまで留学生との対戦となったチーム。自分より上背のあるインサイド陣とのプレーでファウルが混んでしまった試合は少なくなく、八村阿蓮(体3)と佐土原遼(体3)に続いて張の出場機会も多くなった。

▲ゴール下から加点する張
張は坂本聖芽(体3)、松崎、河村らとセカンドユニットとして出場し、スピード感あるのあるペリメーター陣と共に第1ピリオド後半からコートに立つケースが多い。
「昨シーズンから平均身長が下がった分走る意識は持っている。個人でランメニューを組んで周りとスピード感を合わせていきたい」と話す。
2回戦の専修大戦は、八村と佐土原がそろってファウルトラブルに陥り張も20分の出場時間で、8得点をマークした。インサイドでの得点はもちろんだが、張の持ち味の1つであるピックからオープンとなった位置からのミドルシュートを決めるなどオフェンス面で奮闘。ディフェンスでは長身の留学生との対戦となったが、
「リバウンド前の体のぶつかり合いや、シール(相手の前に出てオフェンスを妨げる動き)して自由に動かさせないようにした」と語った。

▲留学生とリバウンド争いをするシーンも
拓殖大のジョフユセフ選手(1年)とは東海大諏訪高時代に北信越高校体育大会や北信越高校選手権大会でマッチアップした経験があり、
「留学生に対してはボールを持たせないことを意識していたが、今回は上手く守れなかったので次対戦した時は止めてみせる」と振り返った。
松崎と同じく、自粛期間中は寮で過ごした張。この期間は主に下半身のトレーニングに力を入れた。学生トレーナーに寮までトレーニング器具を運んでもらい、下半身のウエイトトレーニングと体幹を強化させるメニューに取り組んだ。その結果身軽に動けるようになったことに加えて、リバウンドさの体のぶつかり合いにも負けない体幹を身に着けた。そんな自粛期間中のトレーニングの結果もあってか、リバウンドではチーム2位の奪取本数を誇るなど数字に表れてきている。
コート上で指示を体現できるプレーヤーに
▲ゴール下からチームの攻守を支える
張に今後の選手像について尋ねるとそう答えた。高校時代に比べセットプレーの多さに苦戦した1年時だったが、今シーズンは出場機会も多くなり徐々にチームのルールも理解してきている。
また陸川章監督(体育学部教授)からは、コミュニケーションを取ることを求められ、試合以外でも練習後にもガード陣とコミュニケーションを行うことを意識している。
張は目標としている選手に昨シーズンまでチームをインサイドから支えた平岩玄選手(19年度卒・アルバルク東京)を挙げた。
「視野が広いところや、ボールを正確に出せるところに見習っている。また自主練習をいつも取り組んでいたので、そういった部分でも勉強になる部分があった」と話した。

▲自らコミュニケーションをとる姿も見られた
最後に今週末の決勝に向けて、
「留学生を抑えて、自分が練習でやっているプレーができるように頑張りたい」と次戦の奮闘を誓った。
チーム1の長身である張が今シーズン初の優勝へのキーとなるかもしれない。
(取材、写真、記事:森田)
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