止めきれなかった猛攻、悔しい逆転負け関東学生特別大会2部Cブロック第2戦 vs明星大
●3-6
(1Q:2―0 2Q:0-0 3Q:0-4 4Q:1-2)
【スターティングメンバー】
#6阿萬野慎介(体3) (AT)
#3末次翔吾郎(工3) (AT)
#2中津純(体3) (AT)
#43佐藤彰洋(体4) (FO)
#5松岡正剛(政経3) (MF)
#1上野澪音(体4) (LMF)
#81谷川弘典(工3) (DF)
#24荒川公平(工3) (DF)
#7白崎大志(工3) (DF)
#91尾谷隼(文社3) (G)
【試合レポート】
新型コロナの影響で毎年8月から開幕する関東学生リーグ戦が中止となり、その代替大会として行われた関東学生特別大会。東海大が所属する2部では、3チームごとのブロックに分かれて総当たり戦が行われ、1位となるとその先の決勝トーナメントに進むことができる。東海大は筑波大、明星大がいる2部Cブロックに出場し、11月7日の筑波大戦との初戦を6-3で勝利した。そして、11月21日に決勝トーナメント進出をかけて、1勝で並ぶ明星大との試合に挑んだ。
強風が吹き荒れる中、始まった1Q。立ち上がりから相手にポゼッションを許した東海大は、ゴール左からランニングシュートを打ち込まれるが、ゴーリーの尾谷が体を張ってゴールを死守する。3分には相手がオフサイドを犯し、マイボールとすると、末次がゴール裏で相手ディフェンスを交わし、ゴール右からシュートを放つ。末次のシュートは、相手ゴーリーにセーブされ先制点とはならなかったが、攻撃の士気を高める。7分には、中津と阿萬野が立て続けにシュートを放つも、枠に収まらずなかなか先制点をあげられない。シュートを放つも得点を奪えない東海大であったが、9分に待望の先制点が生まれる。ゴール左で阿萬野がボールをキープし相手ディフェンスを引き付けると、ゴール正面にいた途中出場のAT・根本秀人(工4)がノーマークに。根本の呼び声に反応した阿萬野が根本にパス。パスを受けた根本は、ゴール正面で相手ゴーリーとの1対1を制してゴールを決めた。この得点に関し根本は、
「自分は技術は優れている方ではないが、ボールを持っていない時の動きには自信がある。パスを受けた時に決めれると確信した」と話す。

▲シュートを放つ根本
先制点を奪った東海大はその後も攻め続け、1Q終了間際には、ゴール裏の根本からゴール右でパスを受けた末次が、相手ディフェンスに囲まれながらもシュートを決め、2-0。序盤は攻められたものの、中盤以降は相手にほとんど攻められることなく、2点リードで1Qを終えた。

▲シュートを決め、ガッツポーズをする末次
1Qの勢いそのままに、2Qも序盤は東海大がペースを握る。開始1分には、先制点をあげた根本、3分には中津、7分には途中出場のMF・野田哲平(工3)がそれぞれ強烈なシュートを放つが、枠に収まらなかったり、相手ゴーリーにセーブされたりと、3点目を奪うことができない。すると9分に、相手にポゼッションされると、ゴール左からランニングシュートを放たれてしまう。しかし、尾谷に代わって入ったゴーリーの新倉海人(体3)が好セーブを見せ、ゴールを割らせない。中盤以降は、相手に攻められる時間が続いたが、ディフェンスリーダーを務める白崎を中心とした粘り強いディフェンスで、相手の猛攻を防ぎ、2-0のまま2Qが終了した。

▲好セーブを見せた新倉

▲ディフェンス陣を引っ張った白崎
1Q以降なかなか追加点を奪えずにいると、3Qに相手の猛攻に遭う。5分には、パスミスからボールを失うと、カウンターを仕掛けられ1点を失う。さらに、7分には相手のロングパスからカウンターを許し、2点目を奪われ、同点に追いつかれる。なんとか反撃に転じたい東海大だが、フェイスオフでボールを奪うことができず、ディフェンスの時間が続く。すると9分に、ゴール右上から放たれた相手のバウンドシュートがゴールに突き刺さって2-3。ついに逆転を許してしまう。その後も、相手の勢いを止めることができず、1点を加えられ、2-4で3Qを終えた。渡邊太郎監督(東海大職員)は、
「フルフィールドを使う相手の戦術にリズムを崩された。ミスを相手は見逃してくれなかった」と3Qを振り返る。

▲相手に得点を許す
そして迎えた最後の4Q。新倉の好セーブから、リズムをつかんだ東海大は、2分に中津がランニングシュートを放つ。力強いシュートは相手ゴーリーのクロスを通り抜け、ネットを揺らすかに思われたがポストに弾かれてしまい、ゴールとはならない。すると4分に、相手のミドルシュートが東海大ゴールに突き刺さり、5点目を取られてしまう。さらに、12分にも得点をあげられ、2-6と4点差とされる。

▲ゴールに切り込む中津
2-6で迎えた試合終了間際。中津のミドルシュートを相手ゴーリーが弾き、ボールはゴール正面にいた根本の前に転がる。
「何としても拾って、絶対に決めてやろうと思った」と根本が、転がるボールを拾いそのままシュート。相手ゴーリーの足元を通り抜け、意地のゴールを奪い、3点目をあげた。その後も逆転を信じ、果敢に攻め込む東海大だが、ゴールを割ることはできず、試合終了。3-6で明星大に敗れ、決勝トーナメント進出とはならなかった。

▲試合後の挨拶を終え、グラウンドを後にする選手たち
試合後、渡邊監督は、
「グラウンドボールをしっかり取って攻撃につなげたかったが、それを体現することができなった。厳しい展開でも声を掛け合って、盛り立てようと選手たちはよくがんばったと思う」と試合を振り返った。そして、この試合で引退となった4年生に対し、
「新型コロナの影響でリーグ戦が中止で、目標の1部昇格も果たせなくなってしままった中でも、プロジェクトを立ち上げて活動し、自分たちにやれることを見つけて一生懸命取り組んでいた。本当によくやってくれた。感謝です」と称賛した。佐藤主将は、
「後輩にはチャレンジ精神を持って頑張っていってほしい。同期には、『大変な中でも最後まで一緒に戦ってくれてありがとう』と伝えたい」と笑顔で話した。
チームも自分も成長し、いつかは日本代表に阿萬野慎介(体3)
▲敵陣へ果敢に攻め込む阿萬野
阿萬野は昨年からスタメンに名を連ね、今年1月には関東の大学2年生から選ばれる19年度関東ユース選抜に選出され、1月2日から8日までラクロスの本場アメリカで遠征を行っていた。
「アメリカの選手の実力はもちろんすごかったが、ユースに選出された他のメンバーからも刺激を受けた。技術もそうだが、ラクロスに対する気持ちの強さや取り組む姿勢が、自分たちとは全く違った」と阿萬野。
今年は、新型コロナの影響でチームは2月下旬から活動自粛となり、もどかしい時間が続いた。そんな状況下でも阿萬野をはじめ、多くの選手が筋力トレーニングや自宅での自主練習などに励み、公式戦に備えていた。しかしその一方で、長い自粛期間には、部活を辞めてしまうメンバーや、ラクロスから気持ちの離れてしまうメンバーがいたという。阿萬野は、
「考えは人それぞれなので仕方ない部分もあると思うが、そういう思いにさせてしまった自分たちもまだまだ甘かった」と振り返る。
今季は昨年の主力メンバーの大半が4年生だったことから、全く違う新しいチーム。上級生に引っ張ってもらいながら試合に出場していた阿萬野だが、今季はエースとしてチームを引っ張っていく存在に。
「新チーム発足時は正直とても不安だった」と当時の心境を語る。それでも、自粛期間を通して成長した選手や、8月下旬から再開した練習を通して上手くなっていく選手がいるなど、チームは成長していった。しかし、特別大会では1勝1敗で予選敗退と悔しい結果。
「チームとしてやり切れていない部分もあったが、自分自身も甘さがあった。周りからエースと言われているが、まだ自分のプレーに自信を持ちきれていない。もっともっと練習して自信をもってエースとしてプレーできるようにしたい」と、チームとしても、個人としても悔しい思いをした。

▲明星大戦終了後、肩を落とす阿萬野
今季の悔しい思いを忘れず、チームは1部昇格に向け来季へ動き出す。阿萬野は、
「1部に上がるためにやらなければいけないことは多いが、一番大切なのはやる気。チームメイトでたくさんコミュニケーションをとって、気持ちを一つにして来季に挑みたい」と意気込んだ。そして、個人の目標として、
「将来的にはワールドカップなどで活躍する日本代表選手になりたい。そのために努力を積み重ねて、まずは日本代表選手の入り口となる全国強化指定選手に選ばれたい」と抱負を語った。
☆この明星大戦を持ちまして、今季の湘南校舎男子ラクロス部の公式戦は全日程を終えました。応援ありがとうございました。今後も応援よろしくお願いします!
(記事・写真:新村靖貴)
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