追撃及ばず、1点差に泣く関東学生リーグ2部Bブロック第2戦 vs横浜国立大
●4-5
(1Q:1―1 2Q:1-2 3Q:0-2 4Q:2-0)
【スターティングメンバー】
#3末次翔吾郎(体4) (AT)
#9古谷太一(体3) (AT)
#15中野真斗(工2) (AT)
#5松岡正剛(政経4) (FO)
#6阿萬野慎介(体4) (MF)
#24荒川公平(工4) (LMF)
#7白崎大志(工4) (DF)
#22石月汰一(工4) (DF)
#81谷川弘典(工4) (DF)
#1尾谷隼(文社4) (G)
【試合レポート】
関東学生リーグ2部Bブロック第1戦、東京学芸大に12‐2と快勝した湘南校舎男子ラクロス部は、2年ぶりの1部2部入れ替え戦への切符をかけ、横浜国立大との試合に臨む。この試合は新型コロナウイルスの感染対策がしっかり行われたもと、観客席には多くの観客が両校の応援に駆け付けた。選手たちは試合前に恒例の円陣を組み、気合十分で試合に挑んだ。

▲試合前の円陣
試合開始のフェイスオフは横浜国立大が制し、東海大はディフェンスからの立ち上がりとなるが、荒川の相手ボールマンの背後からの強烈なチェックでボールを奪い、すぐにマイボールとした。そして、試合開始8分。末次からゴール正面の高い位置でパスを受けたエースの阿萬野が、相手ディフェンス3人に囲まれながらもゴール近くまで切り込みクロスを上から降り抜く。ボールは相手ゴーリーの足元をすり抜けネットを揺らし、東京学芸大戦に続いて東海大が先制点を挙げた。

▲先制点を挙げた阿萬野
阿萬野の得点から流れをつかみ、その後も攻め込む東海大だがなかなか追加点を奪えない。すると、11分に白崎、途中出場のLMF清水翔太(体3)の二人が相手ATにかわされ、ゴール近くまで侵入を許すと、ランニングシュートをゴールにたたき込まれ、1‐1の同点とされる。ここからは横浜国立大の猛攻に遭うが、粘り強いディフェンスで対抗し、1‐1で1Qを終えた。

▲同点とされる
2Qも横浜国立大ボールからとなったが、4分にゴール右の古谷からパスを受けた末次が、右上の高い位置から豪快なバウンドシュートをゴールに突き刺し再びリードを奪った。このゴールについて末次は、
「阿萬野が厳しいマークにあうので、自分がシュートを打つチャンスが増えるのは試合前から分かっていた。狙い通りの展開だった」と振り返った。
末次の得点から東海大のペースになるのかと思われたが、その後は相手が攻め立てる展開が続き、8分にゴール左からバウンドシュートを決められ2‐2の同点とされる。さらに13分には東海大のパスミスからボールを奪われると、相手の速いパス回しでフリーにさせてしまった選手にゴールを決められ、2‐3で2Qを終えた。

▲シュートを打つ末次
第1戦の東京学芸大戦で渡邊太郎監督(東海大職員)と、主将の尾谷が反省点に挙げた3Qだったが、この試合も立ち上がりからLMFの清水がファウルを犯しマンダウン(一時的な退場処分)となってしまう厳しい展開に。一人少ない状況の中奮闘するディフェンス陣だったが、一人分空いたスペースを上手く利用され、相手に得点を許してしまい2‐4とされる。これ以上の失点は避けたいと、13分にはゴーリーの尾谷もゴールを空けて相手オフェンスをマークし、相手ボールマンに対してロングクロスを持つディフェンスが2人がかりでマークにつくという思い切ったディフェンスシフトをしいた東海大。しかし、連携ミスから1人の相手オフェンスをフリーにしてしまい、無人のゴールにシュートを決められ、2‐5と点差を広げられた。渡邊監督は、
「ビハインドで早く追いつかなければいけないシーンだったので、流れを引き寄せるための思い切ったディフェンスだった。残念な結果となってしまったが、よくチャレンジした」と語った。ゴーリーの尾谷、ディフェンスリーダーの白崎は、
「この試合で一番悔しいシーンだった」とともに唇をかんだ。
そして迎えた最終4Q。3点を追う東海大は立ち上がりから攻め立てると5分。マンダウンにより一人少なくなった相手ディフェンスの隙をつき、末次がバウンドシュートを決め2点差とした。さらに末次は10分にも阿萬野との速いパス交換から、3点目と同じようなバウンドシュートをゴールに沈め、ついに1点差に詰め寄った。

▲ゴールを決め、清水(右)とハイタッチを交わす末次
4Qも終盤に差し掛かり、絶対に制したい試合再開のフェイスオフだったが、またも相手にマイボールとされる。残り2分を切り、なんとかマイボールにしたい東海大だが、荒川がマンダウンとなり、一人少ない状況に。絶体絶命の展開となるが、白崎が相手オフェンスをしつこくマークし、相手のファールを誘発。土壇場のところでマイボールとした。

▲好守を見せた白崎
1人少ない状況で1点を奪わなければいけない東海大は、なかなかゴールに近づくことができず攻めあぐねるが、残り30秒のところで東海大にラストチャンスが巡ってくる。相手ディフェンスが阿萬野に引き付けられ、ゴール正面の末次がフリーに。阿萬野からパスを受けた末次が強烈なミドルシュートを放ったが、ボールは相手ゴーリーのクロスのネットに。そのまま逃げ切られ、4‐5。試合終了の笛とともに選手たちは肩を落とした。

▲試合後、悔しい表情を見せる選手たち
試合後、渡邊監督は、
「今年のチームはここで終わるチームじゃなかった。でも選手たちは最後までよく戦い抜いてくれた」と悔しさを口にしながらも選手たちを称えた。今後については、
「もちろん1部昇格は目標だが、そこに留まらず、1部で戦い抜けるチームを目指して若い選手たちをしっかり育成していきたい」と話した。
主将としてチームを支えてきた尾谷は、
「後輩たちに1部の舞台で戦わせてあげられなくて申し訳ない」と後輩への思いを口にした。それでも、
「自分たちは4年間精いっぱいやってきたので、その点において悔いはない。自分たちを身体的にも、技術的にも、人間的にも成長させてくれた『ラクロス』には感謝です」と清々しく語った。

▲試合後、応援に駆け付けた観客に挨拶する尾谷(中央)
二人でつかんだ3得点
末次翔吾郎(体4)、尾谷隼(文社4)
▲敵陣に切り込む末次

▲ゴールを守る尾谷
横浜国立大戦で3得点の活躍を見せた末次。この3得点は末次と尾谷の横浜国立大戦のために準備してきた練習が実を結んだものだった。
「土のグラウンドはバウンドが不規則な変化をする。試合会場が土のグラウンドだと分かった時から、バウンドシュートの練習を尾谷とたくさんしてきた」と末次。3得点ともバウンドシュートでのゴールだった。

▲思いっきりクロスを振り抜く末次
尾谷は、
「自主練習の時間を使い、二人で試行錯誤しながらバウンドシュートをずっと研究してきた。彼ならきっとやってくれると思っていた」と末次に大きな期待を寄せていた。特に、4Q残り5分のところで1点差に詰め寄るゴールを決めたシーンについては、
「熱かった。本当に熱かった。練習の成果をしっかり発揮していて、見ていてとても頼もしかった」と話した。
残念ながら納得のいく結果で締めくくることは叶わなかったが、二人に悔いはない。コロナ禍という厳しい環境下でも主将として懸命にチームを支えてきた尾谷は、
「コロナ禍ということもあり従来のように上手くいかないことが多く苦労した部分は多かったが、みんなが支えてくれて何とかやってこれた。ラクロスに対する思いが強く、ラクロスに真摯に向き合ってきた同期は誇りに思う」と話した。末次は、
「自分に多くのことを学ばせてくれ、成長させてくれたラクロスは本当に大好き。でも、ちょっと1週間くらいはラクロスから離れたいなって思います」と笑顔で話した。

▲最後は笑顔で締めくくった
☆この横浜国立大戦を持ちまして、今季の湘南校舎男子ラクロス部の公式戦は全日程を終えました。応援ありがとうございました。今後も応援よろしくお願いします!
(記事・写真:新村 靖貴)
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