卒業される卒業生の門出を祝し、主将の水越陽也(体4)と小林陸玖(体4)のインタビュー記事を掲載いたします。
関東大学リーグ戦 前期(4/3〜6/27)
開幕戦となった専修大戦では、蛯谷空良(体4)が開幕ゴールを決め先制。逆転を許す場面もあったが小林陸玖(体4)の同点弾とルーキーの活躍により3−2の逆転勝利を飾った。続く2節、産能大戦でも山田泰雅(体4)らの4連弾で4−1の快勝。開幕2連勝と勢いをつける展開となった。しかしここから伸び悩み、敗戦や引き分けなど苦しい状況が続く。前期最終節の神大戦では最後まで粘り、高田悠(体3)の勝ち越し弾により1−0とし、勝利。4勝5敗3分の6位となった。
アミノバイタルカップ 関東大学トーナメント(7/10〜7/25)
1回戦はリーグ前期に引き分けた中央大と対戦。新型コロナウイルスの影響により4年生2人を含む選手3人と監督を欠く劣勢を強いられたが、「チームが揃うまで負けるわけにはいかない」という強い想いのもと試合に臨んだ。試合開始すぐ、味方が奪い取り自陣に大きくパスを出したボールに素早く追いついた鈴木大智(法4)から藤井一志(体2)の連携ゴールで先制すると、追加点を重ね3−1で勝利した。
続く2回戦は都リーグに属する山梨学院大と対戦。延長戦までもつれ込むも決まらず、勝負はPK戦までいく熱戦に。キッカー10人目まで突入する緊張感のある試合を展開するも惜敗した。
関東大学リーグ戦 後期(7/31〜10/31)
21節の専修大戦では、小林らのゴール含む4連弾で無失点勝利、続く最終節の関東学院大戦では、鈴木大が決勝弾を決め最終節を勝利で飾った。
後期リーグは前期リーグに比べ失点数が10点減少するなど、東海の強みである堅守を体現し、後期リーグを5勝3敗3分とし、リーグを7位で終えた。
また、得点ランキングに4年生から蛯谷が4ゴールで15位、小林が3ゴールで22位にランクインした。
「山あり谷あり」の4年間 小林陸玖 「やっぱり一言で言うと”山あり谷あり”だったなぁって」、そう自身の大学4年間を振り返った小林陸玖(体4)。
付属高輪台高から東海大に進学すると、入学後即戦力としてDF起用された。高校時代は”東京屈指のCB”と呼ばれ、大学1年時にはU19関東代表としてアジア大会に出場するなど、多彩な経験を持つ。
2年時にはチームが関東2部リーグから県リーグに降格が決定。小林自身もピッチに立ち、悔しさを味わった。加えて3年時には公式試合の出場が1試合と試合に出られない歯がゆい時期を経験した。「自分のサッカー人生の中でも一番の挫折、と言うか悔しいシーズンだった」と振り返る。
1年で関東リーグの舞台に戻ってきたチーム。大学ラストイヤーとして迎えた、 新チーム一番最初の練習試合ではスタメンではなかったと言う。「スタメンじゃなくて サブメンバーかって。やっぱりそこが悔しかった。 やってやるっていう気持ちが芽生えたし、関東リーグの開幕までの一週間はトレーニングとか週末の練習試合で緊張感を持って、結果にこだわってやっていた」と話す。そんな強い思いを持って迎えた関東リーグ開幕戦では見事スタメンに返り咲いた。それだけでなく開幕戦でゴール、開幕勝利に大きく貢献した。「あ、これが関東リーグなんだって思い出せた試合。甘くはないなって身が引き締まった。その反面、サッカーしてるな、楽しいなって思えた試合でもあった」と当時を振り返る。


11月に高校時代の監督の勧めでJリーグチームの練習会に参加。得意のプレーを生かしてj3に所属するガイナーレ鳥取に内定した。しかし見事内定を決めた後もサッカーを続けるか悩んだと言う。「プロになって職業としてサッカーを続けたいっていう気持ちはあったけど、覚悟を決めるのに時間がかかった。返事をするギリギリまでプロとしてやっていけるのかすごく悩んだ」と話す。そんな小林の背中を押したのは両親の言葉だったと言う。両親に「人生1度きりなんだからチャレンジしてみたら?」と背中を押され、「今までの自分の殻を破りたい」と決意、プロの世界に飛び込んだ。チームに帯同し、プロとして戦っていく難しさを感じたと言う。「今までなら通用してきた事も通用しない。もっと考えて、もっと動いていかなきゃと引き締まった」と話す。また「1日1日が成長で学ぶ事が沢山。1試合でも早く試合に出る事が目標」と話し、新天地でも活躍を誓う。
沢山の想いを背負って 水越陽也チームが20年ぶりの大学日本一を決めた試合で決勝弾を押し込んだ水越陽也(体4)。その2週間後には大学日本一を成し遂げた次の世代の新主将としてチームを牽引していたーー
印象に残っている試合としてあげたのはやはり、全国の決勝の舞台。「試合後は実感が湧かなかった。たくさんの人からかけられた祝福の言葉で優勝した実感が湧いてきた」、そう試合直後の当時は話していた。試合から2週間経った取材時には、優勝決定弾を放った優勝の立役者としてではなく、全国王者の肩書きを背負ったチームの主将としての覚悟を持った姿があった。

「うまくいかない事も沢山あった。チームとして勝てない時期に陥った時も、主将になって苦労がわかった」と、この1年間を振り返る。主将として、上に立つ立場として、大きな声で声をかけ続けた。「言葉より行動で見せるタイプ」と話し、サッカーだけでなく、小さなことも率先して、同じ立ち位置に立ってチームに寄り添った。主将としてチームを牽引するだけでなく、DFとしてもゴール前で体を張ったプレーを見せ、チームの守備を固めた。試合に勝てず、連敗が続くこともあった。そんな時も水越はチームメイトを信じ、自分たちがやってきたことを十分発揮できるようにと、前を向きチームを鼓舞し続けた。

公式戦が終わり、部内で行われた学年対抗戦では、「学年が一つになる瞬間を感じた」と言う。いつもは学年関係なく、カテゴリーごとに戦ってきたが、学年ごとに戦ったことで各学年で取り組み、今まで見られなかった事が見えた時間、「4年間で積み上げてきたものは大きいんだな」と感じたと話した。

「同期といったら」最後にそう切り出した水越は、1年生から一緒に活動した1人の同期の存在を明かす。「サッカーが好きでも、続けたくても続けられない人もいる。亡き友のために、じゃないけれど、彼のことを胸に秘めながらこの最後の1年間をプレーしてきた人も多いと思うし、自分もその1人だった」
沖縄SVに進み、競技を続ける。「自分の好きなサッカーを続けられる環境がある事は素直に嬉しい」と話す。実際に練習に参加し、「まだまだ」と辛口に自分を評価する。「戦術もやり方も違う、新たなチームで自分の持っているものをどうチームに還元していくか、自分が何ができるのか考えながらプレーして行きたい」と意気込み、成長をし続ける。
#1 GK 宮崎浩太朗
NEXT→FC刈谷
#2 DF 小林陸玖
NEXT→ガイナーレ鳥取
#4 DF 蛯谷空良
NEXT→エスペランサSC
#5 DF 水越陽也
NEXT→沖縄SV
#10 MF 本多翔太郎
#11 FW 鈴木大智
#15 FW 山田泰雅
NEXT→VONDS市原
#20 FW 鈴木朝日

(記事・写真:清水優奈)
コメント